トップページ > 労災(労働者災害補償保険)について

労災(労働者災害補償保険)について

今回は、皆さんがあまり普段意識することのない保険、労働災害保険、労災について。
実は私はこの適用を受け、二度ほど医者にかかったことがあります。今回はその経験を元に労災保険について考えていきましょう。

根本的なことをお話しすれば、これは私達就労者が保険料を納める義務はありません。労災は事業者のための保険。しかも人一人雇うのなら、これは強制加入です。事業者の義務です。勘違いしてはいけませんが、あくまで事業者救済のための保険。個人ではいるものではありません。

どんな保険なのか。わかりやすく言えば「自己賠償責任保険」自賠責によく似ています。完全な傷害保険、損害保険に当たります。保険料の全額が会社負担なので、私は正直言ってこの強制加入を拒否することは、事業者としてはどうかと思いますね。福利厚生以上にこれは常識の範囲です。”会社が胸をはって述べるようなこと”でもありません。車の強制保険を拒否する運転者は、ほぼ「犯罪者」と同等扱いですよね?違反ですし。
過失事故を起こしても、賠償を払う気持ちが無いように感じますし。それはある意味、資格喪失です。そう誰しもが思うはずです。損得勘定で「命」を語るなら、すでに運転する資格がが無いのと同じように。
それくらい当たり前のことだと思っていいと思います。

この保険に加入しなくてもいい自由などはありません。完全な強制保険です。

具体的に、どれほどの費用を会社が負担しなくてはならないのでしょう? 具体的には保険料率に、1年分の全従業員に払った給料(ボーナスも含める)をかけたものが、実際に払う保険料となります。

保険率は各業者で違いますが、 林業は60/1000とか、 採石業70/10000とか、 卸売業・小売業、飲食店又は宿泊業など、製造、運輸、建設業など以外のその他の業務では5/1000などといった率になります。つまり、死亡や怪我などの可能性が比較的低い業種ほど、率は下がるのです。

ちなみにこれを使う機会がないからと、放っておいて労働基準監督署に被災者が申告し調査が入ると、事業内容など調べ、もし加入してないことが発覚した場合、そこから保険を中途加入するかわり、安全配慮義務違反となり、もしその後事故があって、賠償責任に発展し訴えられると過去の事例では、場合によって1億2000万円の賠償額を支払う事にもなり、 その後支給した保険金が回収できるまで、割増の特別な保険料を払い続けなければなりません。それは事業を続ける限り継続します。

就労とは、雇い主と労働者の労働基準法、労働安全衛生法に基づく適正な査定による賃金に対する双方の了承があって初めて契約が成立する事をいいます。

私も労働基準局に出かけるまでは、「正社員かどうかは関係ない」事は知りませんでした。
賃金が発生すれば一応就労者扱いなんだそうで、本来適用は全ての従業員に対してですが、アルバイトなどは途中でやめたり、休んだりして一年の賃金が一定ではないとの理由で、ただ単に申請されないことが多いのだそうです。

安全で快適な職場環境作り、健康に配慮した労務管理などは、この諸法令が前提です。

この、いわば後加入であれば、「滅多に払わなのだから」という理由で、いざ事故が起きると割増保険料になるのを嫌がって、元請けの会社が、ケガをした人が所属する下請けの会社に向かって「そっちの労災でお願いするよ」といういわば労災逃れは、最近かなり耳にしますね。過酷な労働の割に、保障を面倒くさいと考えるところ。まあ健全とは言い難いですね。

一方、この保険の適用を受ける就労者の側の条件は比較的緩くなっています。

就労時間中に、その職場内で事故などにあった場合であれば、良いといった具合。業務に関係なければ労災の適用は出来ませんが、出張中、営業の得意先回りでも就労時間中の就労行為ですので、適用となります。 その他通勤経路を通勤の目的により、移動中に傷害などを受けた場合など。この場合は通勤災害ですが、ただ途中で営業先に寄ったりするとそれは労働災害となります。

事故などの賠償を、事業者が就労者に支払うのを肩代わりする保険ですので、この保険金の支払いもって事業者はその賠償に対する免責となります。

要するにこれ以上の賠償責任は事業者は負わなくても良くなります。保険金の支払われた段階で、その金額分だけ、労働者は事業主に対しての損害賠償を請求する権利を失うということ。

怪我の治療費は全額保障なので、私も仕事中の怪我で、関節を強打して関節部を骨折した時には、治療費は一切かかりませんでした。治療のため仕事を休むときは、休業4日目分から給料の6割を支給、最初の休業3日分は保険がおりないので、事業者負担となります。ここが結構ネックなんですけどね。

労災保険による6割の補償ではやっぱり生活に困る・・まあ当然ですよね。半分近く削られてしまうわけですから。そこで国の特殊法人から特別支給金が、労災の給付に上乗せされます。これは休業補償給付、療養給付、療養補償給付、障害(補償)給付、遺族(補償)給付などに上乗せされます。


労災認定というのがありますよね?
就業中の骨折等であれば、病院に行く際、事業者に申告してからいけば、そのまま診察に入るまえ受付などで「就労中の怪我なので労災でお願いします」で大丈夫です。その際は健康保険の適用は受けませんので、保険証は必要ありません。

業務との因果関係が最も重要なのですが、その辺はきちんと状況を把握できる、同僚など第三者がいた方がいいですね。

治療費の請求書は事業者に送られ、事業者を通して保険給付の請求手続きになります。特に私からは手続きを何もしなかったのを覚えています。

非常に問題視され、裁判になったりするのは重大事故の過失が表面化したときなど、または就業者が死亡したときその原因を巡ってとか、自殺は過労、就業の場所の環境に左右されることもあって、仕事が原因の労災として、仮に労働基準監督署の決定に対する不服申し立てによる裁判でも遺族側勝訴の判例が珍しくなくなりました。

アスベスト問題もありましたし。関係あるところなので、ココを紹介しておきます。
労働者保護法http://www.bekkoame.ne.jp/~tk-o/songbrs.htm

内容や請求に関してはここが参考になります。
労災保健関係http://roudoukyoku.go.jp/seido/rousai/conttop.htm

制度が変り、5名未満の会社の場合は、事業主等にも健康保険を使わせてくれるようになりましたけどね。そこで小さな事業者は、実は経営者も事故に見舞われる場合もあります。しかし今までは労災の適用は受けられません。これを解消するために労働保険事務組合というのがあるそうです。平たくいえば労働保険の事務処理をこの組合に委託し、そこで特別加入の手続きをすればそれが可能だそうです。そもそも事業主には労災が適用できないこと自体、知らないことは多いのでしょうけど。

全国労働保険事務組合http://www.rouhoren.or.jp/

各種お問い合わせ等